2016年

2月

03日

特別レポート 2016新年特別講演 『心と身体へのサポートと機能性素材の役割』

去る1月10日(日)静岡県熱海市のホテルサンミ倶楽部において、恒例の新年特別講演がNPO法人機能性素材研究会より6名の先生方をお招きし、「心と身体へのサポートと機能性素材の役割」についての講演が行われました。今回その内容を要約してご報告致します。

 

萩原 優 先生

NPO法人 機能性素材研究会 理事長 イーハトーヴクリニック医院長

萩原先生の専門分野のテーマであり、一番手での登壇でしたが「トップバッターで話すのはかなりのストレスがかかります」と、ご自身の心境からお話しが始まりました。
人間はストレスを脳で感じ、脳から副腎刺激ホルモンが出て、副腎が刺激を受けて抗ストレスホルモンが分泌され、その結果ストレスが緩和されます。
副腎が疲れていると抗ストレスホルモンが分泌されず、ストレスに対抗出来なくなり疲労やうつ症状が出てきます。これを「副腎疲労症候群」といいます。
ストレスが毎日続き、それに不規則な生活や食生活など栄養障害が加わると副腎は簡単に疲れてしまいます。
人はみんな自然治癒力を持っており、副腎はストレスをなくして栄養を与えればひとりでに治っていきます。副腎疲労の治りが悪い場合は「副腎にストレスを与え続けている原因」が必ずあります。それを探し出して対処する事が副腎疲労回復のコツです。また、栄養面ではビタミンCとビタミンB群の摂取が大切です。機能性素材の服用に関しては、海外では医薬品やサプリメントとしてPS(ホスファチジルセリン)が流通しています。日本人においてもPS摂取3週間で、ストレス抑制効果が現れ、その後摂取期間3ケ月でその効果が持続されている事からも、PS配合のバイオソフトの服用を提唱されました。

萩原優先生

 

根津 良幸 先生

ふれあい町田ホスピタル薬剤科 薬剤師

ストレスが免疫低下の一つの要因になっている事から、ストレスに対して耐える力が個々で違うので、耐える力を強くしてあげることが大切です。日本人は薬に頼る傾向にあり、特に精神科で処方される抗不安薬、睡眠薬などは依存性が高くなるので、「自分の持っている力」を引き出し薬に頼らない生活を送ることが健康寿命を延ばす事にも繋がります。それにはストレス耐性を強化する機能性素材の摂取が必要であり、先生方もご愛飲されているバイオソフト・LBMのご紹介がありました。
バイオソフトに配合されているPS (ホスファチジルセリン)がストレス耐性を強化し、LBMに配合されているBAPに免疫賦活・抗腫瘍・抗ストレス作用、特にリラックス効果があり抗不安作用があります。
最後にNPO法人機能性素材研究会は、『急速な高齢化社会への移行にともない「対象療法的」な治療から、「根治療法」や予防医学の機能に特化した機能性素材の研究と普及によって、抗老化と共に生活の質の向上を図り、自立した健康で快適な生活を過ごす“健康寿命を延ばす”活動をおこなう』という趣旨のもと、今年も皆様の健康寿命を延ばすお手伝いをしていきますと、締めくくられました。

根津良幸先生

 

西川 正純 先生

宮城大学教授

冒頭お正月にご自分がストレスを受けたエピソードを楽しく語られましたが、そんな笑いの渦の中、健康意識調査では男女共に腰痛・肩こりを訴える人が多く、その原因としてストレスが大いに関係しているということについて。また、コンドロイチン硫酸には不定愁訴、炎症の改善効果があることに加え、認知症や骨髄損傷の治療に新たな期待が持たれているとのご説明がありました。
不定愁訴とは、頭痛、めまい、ふらつき、肩こり、腰痛、倦怠感、不眠などの症状がある一方、検査によって病気とは認められない状態のことです。自律神経失調症ともいい、ストレスが原因とも言われています。不定愁訴患者対象の臨床試験においてコンドロイチン硫酸服用で軽度は8割以上が軽減しています。
難病指定とされている潰瘍性大腸炎「主として粘膜と粘膜下層をおかす、大腸とくに直腸の原因不明の非特異性炎症疾患(WHO定義)」はストレスが原因と言われ、患者数でいうと20歳頃が一番多く発症しています。コンドロイチン硫酸の大腸炎に及ぼす影響(動物試験)により、コンドロイチン硫酸を摂取することで炎症部分が減っている事から、その改善効果が認められています。
ヒトの神経細胞は、胎児期から幼児期に細胞数が最大140億個となり、その後は日々(数万個/日)減少します。すなわち神経細胞には増殖能力がなく、認知症、脳梗塞などの神経疾患や頭部外傷などで神経細胞が脱落した場合、その復元は困難であると言われていましたが、最近、海産由来のコンドロイチン硫酸D(サメ),E(イカ)により、神経細胞の再生の可能性が見えてきました! これにより認知症や脳梗塞、脊椎損傷の治療に期待が持たれているそうです。
魚介類の消費量の多い日本人は平均寿命が長く、消費量の少ない国は心疾患、脳卒中などに罹りやすく短命です。サバ、イワシなどの青魚に多いDHAには、生活習慣の予防・改善効果、認知症の予防効果、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の改善効果が認められています。
バイオソフトに配合されているPS(ホスファチジルセリン)にDHAがくっついています。
ストレス社会を乗り切るには、スーパーシャークとバイオソフトの摂取で、心と身体を元気に過ごして下さい!とのお話でした。

西川正純先生

 

林 修 先生

女子栄養大学教授

からだには概日リズム(サーカデアン・リズム)があり、「物事にはすべて、その経過の中で一番美しい時がある」(旧約聖書―伝道者の書でリズムを表した言葉)と神秘的な語り口でお話が始まりました。
地球上の生物は、進化の過程で太陽の恵みを享受するよう淘汰されながら昼夜の周期性を刻み込んできて、さまざまな働きに概日リズムがみられます。生理機能では中枢・神経系・内分泌系・酵素・代謝系・尿・血液などは7時~23時が活動期で23時~7時までは休息期です。
免疫系も日内変動があり、リンパ球・B細胞・T細胞・T細胞・好酸球は23時~7時が活動期で好中球・NK細胞・K細胞などは昼間活動します。
生体リズムをコントロールする体内時計(リズムの発振)は視交叉上核SCNにあり、本来1日25時間のサイクルになっていますが、毎朝太陽の光を視覚で認識することによって1日24時間に調整されます。
概日リズムを示す生体機能と病気の発症の時間も関係があり、脳梗塞、喘息発作、狭心症、関節リウマチなどは朝方が発症しやすい。
生物時計の存在理由は、基本的に「食べること」であり、食事が末梢の時計を制御しています。リズムを作るのと、体内に脂肪をため込む働きをしているのが、BMAL1タンパクで、午後10時から増え始め午前2時に最高値となります。すなわち午後10時から深夜にかけての食事は肥満しやすくなるということです。また、睡眠不足や概日リズムの異常により、摂食行動・代謝リズムが変容し、肥満やメタボリック症候群の発症リスクが上昇しますが、規則正しい時刻の食事によって高脂肪を摂取しても肥満やメタボにはなりません。
規則的な生活は「早寝早起き朝ごはん」で、朝食を毎日食べる児童生徒の方が、学力調査の平均正答率が高く、脳内物質の分泌はいずれも大体午前5~7時がピーク。このタイミングに合わせて起きるようにすれば、日中の活動や心身の健康度はアップします。朝に分泌される脳内物質が足りなくなると、代謝や免疫など体の健康を維持する機能が落ち、ストレスにも弱くなります。ストレス下の生活では 食事が不規則になり、健康は破綻します。
ストレスを緩和するには、規則正しい生活と林先生も毎日飲んでいるバイオソフトの摂取で本年も健やかに過ごしましょう!とのお話でした。

林修先生

 

柳川 忠二 先生

東邦大学薬学部教授

難しい話をずっと聞いていて「ストレス」がたまっていませんか?と問いかけ柔らかいお話をしますね、と会場の緊張を和ませてからお話をされました。
今まで出来ていたことが年を取ると出来なくなったりしますが、これが免疫力の低下で、私達の身体は、この免疫力がなければ生きていく事はできません。免疫力がなければ、病院でどんな高度な治療を受けても病気は治らないのです。この免疫力の元となるのが、白血球です。
ストレスによって腰痛、肩こりがおこりますが、ガンの発症もあります。白血球の中のマクロファージは病原菌や死滅した細胞などを食べ、悪玉コレステロールを食べ、サイトカインを放出してガン細胞を攻撃しますが、生活習慣が病気を招く事から、生活習慣の見直しや改善をしなければ元気にはなれません。
ガンになると免疫抑制細胞が増えて免疫細胞を抑えてしまい、ガン細胞を攻撃することが出来なくなります。免疫抑制細胞を減らすためには機能性素材(椎茸菌糸体)の摂取と体温を1度上げる事で効果があります。
椎茸菌糸体には免疫抑制減少・免疫細胞の活性の回復・腫瘍の進行抑制があるということをデータより詳しく説明がありました。
また、体温が1度上がると免疫力は6倍に高まり基礎代謝も高まるそうです。
体温を上げるのに1日1回、お風呂に入る・ウォーキングやジョギングなど運動をする・白湯を飲む・水素水の風呂・椎茸菌糸体エキスの服用・ホカロン、湯たんぽの使用で効果があります。
最後に免疫力を上げるツボの紹介があり、「兪府(ゆふ)」鎖骨と胸骨の角にあるくぼみで息を吐きながら、片方のツボには他の4本の指をあて、痛気持ちいいくらいの強さで左右に揺らしながら10回程度押す。「中脘(ちゅうかん)」おへそから指6本分真上。おへそからみぞおちまでの中間くらいの位置で息を吐きながら、両手の中指の背側面を合わせた状態にして痛くない程度に10回押す。などセルフメディケーションで健康を保ち心も身体も元気で過ごしてください!と、すぐに実践出来そうなすばらしいお話をしていただきました。

柳川忠二先生

 

野村 喜重郎 先生

野村消化器内科 理事長

いつもニコニコ笑顔の野村先生のご登壇で会場が明るい雰囲気に包まれました。前出の5人の先生方のお話に感動され、「ありがとう・ありがとう」と繰り返し、ストレスをなくすには、サプリメントと運動、そして心の癒し方(感謝すること)が大切ですよとお話しが始まりました。
「病は気から」と言われますが、必要な時は薬で治しますが、本来は治療より予防して健康を維持することが大切です。ストレスは心の歪みであり、今は3人に1人が「うつ病」と言われていますが、腰痛・頭痛・腹痛など身体の痛みのある人の40%以上がうつ病だそうです。整形だけでは治らず、脳が関係し、交感神経と副交感神経の働きが重要で、アドレナリンの分泌が少なくなるとうつ病を発症しやすくなります。それを予防出来るのがPS(ホスファチジルセリン)が入っているバイオソフトで、野村先生ご自身も愛用されていて大絶賛されています。
ストレスによって生じる病気には、自律神経系(うつ・自律神経失調症など)・内分泌系(慢性甲状腺炎・橋本病・など)・蓄積しすぎると胃炎・胃潰瘍・胃がん・歯周病・抜け毛・円形脱毛症などになります。
ネガティブな感情が体の部分(首・肩・腰など)に痛みとして表れ、肩の痛みは日常を楽しめてない時などと、それぞれの部位によって理由が存在します。痛みを回避するには、ストレスをポジティブにして、何事にも「ありがとう」と言い換える。そして「怒らないこと」です。
ストレスに負けない強い心・体づくり(耐性)には質の良い睡眠と動くことに加え、機能性素材の摂取が健康を維持していくのに必要で、副交感神経(リンパ球)の働きを補助し免疫力をアップするLEMと、内分泌・コルチゾール(ストレスホルモン)を減少させるPSの併用を強く提唱されました。
また、昨今の健康ブームに加え、医師や研究者による情報発信もあり、前向きな言葉を口グセのように唱えていると、病気を癒したり、予防したりする効果があるとのことで「言葉の力」に関心が集まっているそうです。病気やけがは身体の外から治しますが、言葉の力は身体の中から治療してくれます。ムント・セラピー「病気を癒す言葉」として、ガンの予後、術後には、「これから、まだまだ闘える」、うつ病には「今は雨でも、また晴れる」など・・それぞれの病気に対する癒し言葉があり、心を癒せば病気を治せるとしています。
最後に「笑い」は健康を招く副作用のない特効薬です。「病は気から」というように、深刻な顔をしていると健康な人も病気になってしまいます。今年は思いっきり腹を抱えて、「大笑い」しましょう!「笑う門には健康来る」と終始ニコニコ笑顔で元気パワーを頂けるお話でした。

野村喜重郎先生

本年も、先生方の有意義なお話から一年がスタートしました。多くの皆様がストレスなく健康な生活を送られることを、心よりお祈り申し上げます。

 

(文:芳賀 陽子)