札幌セミナーが開催されました (講師:宮城大学教授 西川正純 先生)

去る11月3日(祝・文化の日)、道民活動センター、かでる2.7において、NPO法人機能性素材研究会より、宮城大学食産業学部、西川正純教授をお迎えし「免疫と健康」スペシャル企画、「健康でポジティブに生きるための機能性素材コンドロイチン」と題して講演会が開催されました。

 

西川教授は、9月20日の全国放送「健康カプセル・ゲンキの時間」にもご出演されるなど、コンドロイチンを始め、DHA、EPAなど海産物由来の素材研究に関しても、今や業界の第一人者です。その先生が今回の講演では、コンドロイチンを中心に新しいデータなどについても紹介されました。

健康寿命に関連するロコモティブシンドロームの主な原因は、膝痛・腰痛・関節痛!!

健康寿命は、男女共70歳位です。健康寿命を延ばすためには、ロコモティブシンドロームの予防が大切です。
ロコモティブシンドロームとは、筋肉、関節、骨などの運動器官の障害によって、日常生活で人や道具の必要な「要介護支援」の状態、又はその一歩手前の状態をいいますが、このロコモになる原因としては、脳血管疾患、認知症、関節疾患、転倒による骨折が主です。ですから、関節疾患・骨折を防ぐことで大幅に予防できるとの事です。


(参考)平成22年国民生活基礎調査 要介護者等の状況(厚生労働省)

筋力低下、関節痛、骨粗鬆症の兆候は40歳代から始まっている!!

年々、寿命の延びに伴い関節症疾患や骨粗鬆症疾患の患者の割合が増えています。特に女性は50歳位から女性ホルモンのエストロゲンが減り、骨を壊す細胞の方が強くなるため、腰椎骨密度の低下が著しくおこります。
骨は、17歳位が一番強く、これまでが大切との事。小・中学生でのダイエットは40歳以降の骨量の変化が激しいので・・・(会場を見まわし・・・)皆さんのお子さんや、お孫さんに注意してあげてくださいとのお話しがありました(笑)

宮城大学食産業学部教授 西川正純 先生
宮城大学食産業学部教授 西川正純 先生

コンドロイチン硫酸の役割~軟骨破壊を抑制する!!

コンドロイチン硫酸は以前より関節軟骨に原料を補給することで効果が認められていますが、新たなデータとして、軟骨細胞を分解するアグリカナーゼの働きを抑制し、逆に軟骨破壊を抑制する阻害物質(TIMP)の働きを活性化するというお話がありました。コンドロイチン硫酸は、軟骨細胞にも滑膜細胞にも作用することで、軟骨破壊を抑制するのです。

コンドロイチン硫酸の役割~痛風を改善する!!

前回講演会では、痛風の改善作用があると聞いてはいましたが、今回は試験データを基に説明がありました。

食品用コンドロイチンの尿酸値に及ぼす影響
食品用コンドロイチンの尿酸値に及ぼす影響

TV健康カプセル「ゲンキの時間」でも取り上げられたDHAについて

DHA(ドコサヘキサエン酸)とは、主に青魚に多く含まれる脂肪酸で、血中のコレステロールや中性脂肪を減少させ、さらに血圧を調整することにより生活習慣病に罹りにくくする働きがあるとの事。また、最近の報告では骨の強化作用や関節リウマチの症状緩和作用も明らかになってきているそうで、バイオソフトに含有しているとの事でした。

講演を終えて

今回も楽しく、とても解りやすくお話しして下さいました。
筋力の低下や骨の老化は、年齢を重ねるごとに当たり前のように誰にでもおこり、大切なのは、介護が必要にならないための「予防」。
西川教授の「要介護になる前の段階では、まだまだ予防ができるので知ってもらいたい」というお言葉が印象的でした。出席者にはしっかり伝わった事と思います。

 (文:鈴木 弘美)