講演レポート 「栄養と食事のサポートは、機能性素材スピルリナから」

去る8月11日、群馬県前橋市にてNPO法人機能性素材研究会よりスピルリナ研究の第一人者女子栄養大学教授の林修先生をお招きして、恒例の夏期特別講演会が開催されました。
本年は健康雑誌「わかさ」11月号に取り上げられた「糖尿病・シニアは隠れ栄養失調に陥りやすい」に関連して、「高齢者の栄養と食事-機能性スピルリナ」についてをお話しいただきました。

たんぱく質、マグネシウム、亜鉛、食物繊維が不足

日本の女性は平均寿命が世界一になりましたが、健康寿命は10歳位短いため介護を受ける期間を縮めて健康寿命を延ばすには、生活習慣病の発症の予防、栄養、食生活の改善が求められます。そしてシニアに不足しがちな栄養素の中で特にたんぱく質、マグネシウム、亜鉛、食物繊維の4種の栄養不足が問題視され、代表的に糖尿病が増えています。

女子栄養大学教授 林修 先生
女子栄養大学教授 林修 先生

スピルリナは今注目のBCAA分岐鎖アミノ酸を含む

たんぱく質不足で筋肉が小さくなり、筋力または身体能力が低下(サルコぺニア)することで、転倒、衰弱により要介護状態(フレイルティ)になります。特に筋肉タンパク合成に有効なロイシンなどのBCAA分岐鎖アミノ酸の摂取は、筋肉をつけ、ブドウ糖の取り込むことで、高血糖、糖尿病を予防します。軽い運動1時間後の摂取が最適です。

スピルリナはらせん形をした藍色細菌(シアノバクテリア)
スピルリナはらせん形をした藍色細菌(シアノバクテリア)

マグネシウム・亜鉛・食物繊維不足が糖尿病を招く

マグネシウムは体内にある300種類以上の酵素を活性化し、たんぱく質の合成やエネルギーの生産、筋肉の収縮、血糖値の調整、血管を拡張させ血圧を下げる作用、カルシウムの働きを助ける働きがあります。マグネシウムが不足すると善玉ホルモンのアディポネクチンが減少することで血糖降下ホルモンのインスリン抵抗性が生じ、糖尿病を招きます。また亜鉛不足により、肝臓でのインスリンの分解が進んで糖尿病になる可能性も高くなります。

「スピルリナ」には豊富な栄養素が含まれています

スピルリナの含有成分の中で、最も多いのが植物性たんぱく質で、全体の60~70%を占め、9種類ある必須アミノ酸(体内では合成出来ないアミノ酸)をすべて含んでいます。食後高血糖を防ぐ食物繊維も全体の8~10%を占め、その他マグネシウムや亜鉛などのミネラル、ビタミン、核酸などがたっぷり含まれています。また、スピルリナを食べると腸内細菌のバランスが良くなり免疫機能が整って免疫強化に役立つのです。

健康雑誌「わかさ」2014年11月号より
健康雑誌「わかさ」2014年11月号より